皆さん、こんにちは。今日は脳腸相関についてお話したいと思います。腸は「第2の脳」と言われ、脳の緊張状態などに影響を受けたり、逆に腸の調子が悪いとイライラしたり、鬱っぽくなるなどの関連があると言われています。最近のトピックスは腸内細菌叢(腸内フローラ)の乱れが、便通障害の原因となり、さらに精神的な疾患に結び付くのではないかというものです。便秘症、過敏性腸症候群などで悩まれている方も多いと思いますが、脳腸相関を知り、日々の管理に役立てて欲しいと思います。

 

・便秘症

胃腸は副交感神経によって支配される臓器です。基本的には、起きている間には交感神経が刺激されることが多く、寝ている間に副交感神経が優位となると言われています。従って、睡眠時間が十分にとれていない場合などは、便秘になりやすいと考えられています。しっかり、睡眠をとりましょう。またウォーキングなどの軽い運動も自律神経を整える作用があり、便秘の解消につながりやすいと言われています。その他薬剤については、ブログ「便秘症の治療は新しい時代へ」を参照してみてください。

 

・過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は便秘や下痢を繰り返す病気で、精神的ストレスが原因となり起こるのではないかと推測されてきました。実際、この病気で悩まれている方の多くは、ストレス時に悪化することからそのように考え、我慢している方が多いと聞きます。しかし、最近の研究では腸内細菌叢のバランスの崩れが、この病気の調子の良し悪しに影響しているのではないか、さらには精神的ストレスの原因になっているとの報告まであります。そして、整腸剤などで腸内のバランスを整えることで、精神的安定に繋がることが証明されつつあります。

 

このように便秘症や過敏性腸症候群は、脳と腸、その双方を治療していくことが大切と言えます。長らく便秘で悩まれている方は睡眠の質を改善して、軽度の有酸素運動を取り入れましょう。過敏性腸症候群の方は整腸剤を含めた、適切な薬剤で治療を受けてください。詳しくはクリニックにてご相談ください。

 

青野クリニック 院長 青野 悟志