皆さん、こんにちは。肥満症についての勉強会に参加してきましたので、少しお話したいと思います。肥満症とは、BMI≧25、かつ、11の健康障害を1つでも合併していると診断されます。11の健康障害とは以下の内容になります。

 

糖尿病

高脂血症

高血圧症

高尿酸血症

狭心症、心筋梗塞

脳梗塞

非アルコール性脂肪肝

月経異常、不妊

睡眠時無呼吸症候群

運動器障害

肥満関連腎疾患

 

 またそれ以外にも、胆石、男性不妊、気管支喘息、逆流性食道炎、認知症などの良性疾患、癌などの悪性疾患を合併しやすくなると言われています。多くの方が肥満は良くないとは知っていると思いますが、改めて列記して眺めると、太らないようにしようという意識が持てるのではないでしょうか。

 

 あと、消化器内科医として肥満が困るのは腹部エコー検査です。皮下脂肪が厚いと、特にすい臓などの検査の時に見えにくく、同じ検査を受けていても有効でない検査になることがあります。

 

 それから、肥満症で入院するような方に行う治療としては、栄養指導、運動指導、行動療法、薬物療法、外科的治療などを行いますが、そんな治療の中に「30回咀嚼法」を実践頂くというお話がありました。一口食べて30回の咀嚼が出来た回数が増えるほど、食事量が減少するそうです。しかし、お年を召してからの極端なダイエットは栄養障害、筋力低下を招いたりすることがありますので、医師と相談しながら慎重にするようにしてください。

 

青野クリニック 院長 青野 悟志