みなさん、こんにちは。徐々に暑くなってきて、ビールやアイスなどの冷たいものが美味しくなりますが、食べた後に下痢をして困るという方も多いのではないでしょうか。そこで、今日は下痢でお困りの方に気をつけて頂きたい点をお話したいと思います。

 

そもそも、下痢とはなぜ起きるのでしょうか。人の身体は消化液を毎日何ℓも分泌し、逆に腸は何ℓもの水を吸収して便を形作っています。そのバランスが崩れた状態、つまり下痢とは

 

「腸が水を吸収出来なくなった状態」

「腸が動き過ぎて、水がちゃんと吸収される前に出てきてしまう状態」

 

と言えます。

 

このような状態を引き起こす原因は

 

・腸炎(ウイルス性、細菌性、自己免疫性など)

・飲酒

・香辛料の過量摂取

・不消化(胆膵系の異常などを含めた吸収不良症候群)

・乳糖不耐症                  など

 

となります。例えば、感染性腸炎は、腸の粘膜に炎症を起こし、腸管からの腸液が増え、逆に腸液の吸収が難しくなって下痢を起こします。お酒は毛細血管拡張作用などから、腸粘膜の浮腫傾向(水滞⇒漢方小話:水滞を参照ください)を来し、その結果水分の吸収不良を起こし、下痢となります。さらにカプサイシンなどの香辛料は腸管を刺激することで動きを早め、水分が吸収されるまえに便が大腸に到達し、下痢をしてしまう状態を引き起こします。また慢性膵炎などを起こしている方などは、膵消化酵素が不足し、下痢しやすくなります。

 

このように一口に下痢と言っても、原因は人それぞれであり、様々な原因が複合している可能性もあります。もちろん、それらへの対処方法も全く異なります。下痢でお困りの方はクリニックまでお気軽に御相談下さい。

 

青野クリニック 院長 青野 悟志