糖尿病の方や、肥満の方から食事についてアドバイスを求められることが多くあります。しかし、病気にしっかりと向き合っておられる方は、しっかりと食事療法を実践されているようであり、コメントが難しくなることもしばしばです。

 

糖尿病の運動食事療法の重要度は、「食事6割、運動3割、代謝1割」と言われており、いかに食事が大切かということが分かります。そして、食事のバランスも大切で、2018年Lancet public healthに掲載された論文には、1日の総カロリーのうち、糖質で50~55%摂取した患者群が最も寿命が長かったという報告があります。また65歳までの高たんぱく食も寿命を短縮するという報告もあります。まず大切なことは

 

食事はバランスよく摂る

 

当たり前ですが、心掛けて頂きたいと思います。また睡眠不足は交感神経を刺激し、また食欲を抑制する脳の機能を低下させて、食事の摂取過剰を招きます。睡眠も大切です。

 

そして、食欲があって困る場合は、糖質を控え、高たんぱく食にすると食欲抑制中枢が刺激されるのは報告されています。極端なことはいけませんが、食事のバランスを考えながら、これも実践してみてください。

 

糖尿病の治療薬は、近年様々なものが開発されてきておりますが、消化管に働いて糖質や脂質の吸収を抑える効果のある薬剤も多くありますし、整腸剤による腸内フローラの改善も腸内での糖の生成を抑制するという報告もあります。

 

一筋縄ではいかないことも多いですが、皆様の運動食事療法を下支えする、色々なアドバイスを診察室で行っていきますので、いつでもお気軽に御相談ください。

 

青野クリニック 院長 青野 悟志